指しゃぶりは赤ちゃんの時の姿勢が関係していた?
今回は院長の池上が担当します。
まず最初にお伝えしておきますが、
一旦ついた指しゃぶりを止めさせるのは中々困難です…(´・_・`)
ですから、
もし
・指しゃぶりの原因が分かり
・どうしたらそうならないか事前に手を打てたとしたら
それはお子さんにとっても、お母さんにとっても、我々歯科医師にとっても
とても幸せなことですね。
指しゃぶりの意外な原因
そもそも、どうして指しゃぶりが起こるのでしょうか?
姿勢と歯並びについては最近研究が進んでいます。
ここからのお話はまだ研究途中の最新の話であり、
こういう可能性があると思って読んで頂ければと思います。
僕もまだまだ勉強途中の発展途上の分野でありますが、
少しでもお母さん方のためになりたいと思い、勉強してきた最新の情報をお伝えして行きたいと思います。
「指しゃぶりは赤ちゃんの時の姿勢が深く関係している」可能性があるそうです。
赤ちゃんは生後3ヵ月位までは大人にはできない特殊な飲み込みができます。
それを「乳児嚥下(にゅうじえんげ)」と言います。
なんと呼吸と飲み込みが同時にできるるんです!
お乳を吸いながら(飲みながら)同時に息を吸うことができちゃうんです!
(大人ではむせてしまってできませんね…)
生後3ヵ月位までの赤ちゃんには喉の奥に空気の通り道とお乳の通り道を分ける特殊な弁が上下に1つずつあり、
この2つの弁のお陰で
息をしながら同時にお乳を飲むことが可能です。
成長するにつれ上の方の弁は小さくなって行くので、
下の弁だけで
・息をする時には食道の入り口を
・飲み込む時には気管の入り口を
塞ぐようになります。
下の弁だけではどちらかだけしか閉じることができないので、
やがて同時に行うことができなくなって行きます。
(この3ヵ月という時期は赤ちゃんのクビが座る時期と一致するのも興味深いところですね)
赤ちゃんが上向きの状態(クビを後ろに反らした状態)でお母さんがお乳を与えてしまっていると、鼻呼吸が難しくなり
お乳と一緒に空気がお腹に一緒に入って行ってしまいます。
そうなるとあまりお乳を飲んでいないのにお腹が膨れてしまう場合があるそうです。
なんと
赤ちゃんはお腹に溜まった空気を出すために指を吸っている可能性があるそうです。
なんとも不思議な感じがしますね…(@_@)
空気を吐き出すために
別の言い方をすれば、
吸うのと同時にお腹の空気を吐き出すために
口に指を入れている可能性があるのだそうです。
指をしゃぶらないようにするにはどうすればいいの?
では指をしゃぶらないようにするにはどうしたらいいのでしょう?
指しゃぶりは赤ちゃんの姿勢と呼吸が深く関係している可能性が分かって来ました。
ここまでの話の流れで行けば、やはり
・お乳を飲む時にお腹に空気が入らないようにしてあげること
がカギとなります。
やはり
・お乳を与える時にはクビが後ろに反った状態で与えないこと
*実はみなさん、この姿勢で与えていることがとっても多いんです!
・普段の姿勢も鼻呼吸しやすいようクビが後ろに反った状態にしないこと
が重要だそうです。
*これらについて詳しくは後日公開予定の
「その抱っこの仕方、間違っているかもしれません…」
「そのお乳の与え方、間違っているかもしれません…」参照を
ここで簡単に言うと
赤ちゃんをクビが後ろに反った状態で抱っこしていると口呼吸になり、
指しゃぶりの原因になる可能性があるそうです。
大きく口を開け、しっかり息を吐き出せる子には指しゃぶりはいないそうです
赤ちゃんが指を吸い出した場合の対応は?
赤ちゃんが指を吸い出した場合は、
身体を丸めるように抱いてあげると指を吸いにくくなることがあるそうです。
前かがみの姿勢で何か指を使う遊びに誘導してあげるといいかもしれないそうです。
鼻の奥に炎症があると口で息をするために指を吸うようになる可能性があるそうです。
指をしゃぶらない子にするトレーニング法 ?!
空気を飲み込んだり、
口呼吸にならないようにするために
クビを後ろに反らさないようお乳を与えたり抱っこしたりすることが重要なことはお伝えしました。
しっかり口を開けて息を吐き出せる子にするために、
もう一歩踏み込んだより積極的な介入もできるそうです。
それは
大きく口を開けて呼吸ができるようにトレーニングするために
身体を丸めてあげて
(クビの後ろをしっかり伸ばしてあげて)
くすぐってあげるのがいいそうです!(^^)
呼吸がうまくできるようになれば、
指を吸わなくてもよくなるのだそうですよ。