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お子さんの歯 豆知識

笑気(しょうき)麻酔について

笑気(しょうき)って危なくないですか?
笑気麻酔って何?

 

 

笑気(しょうき)って聞かれたことはありますか?

歯の治療をする時の不安を和らげてくれる、鼻から吸って使う治療用のガスです。

 

フッ素の時と同じように時々お母さん方から

「笑気って危なくないですか?」

と質問を受けることがあります。

 

笑気について不安に思われておられる方もおられると思いますので、

今回はそんな

「笑気って危なくないの?」

「一体笑気って何?」

「笑気を吸うとどんな感じになるの?」

などの疑問に一問一答形式でお答えして行きたいと思います。

 

Q1 笑気って一体何?

Q2 笑気は危なくないですか? 安全性は? 誰にでも使えますか?

Q3 アレルギーがあっても使えますか?

Q4 何歳から使えますか?

Q5 発達障がいがありますが使えますか?

Q6 笑気を吸ったら注射はしないで済みますか?

Q7 笑気を置いてある歯科医院はあまりないのですか?

Q8 笑気を吸うとどんな気分になりますか?

Q9 麻薬やアルコールのような依存症になりませんか? 

Q10 意識は無くなるのですか? 全身麻酔とは違うのですか? 

Q11 保険は利きますか?

Q12 笑気麻酔の良いところ・優れた点は?

Q13 笑気はいつでも利用可能ですか?

 

笑気って何?

Q1 笑気って一体何?

A 亜酸化窒素(あさんかちっそ) 化学式で書くとN2Oというガスです。

空気よりも重いので下に溜まります。

(なので当院は笑気用に下にも換気扇が付いています)

 

笑気の麻酔作用は200年以上前に発見されました。

 

当院でも「笑気麻酔」と呼んでいますが、

痛みを抑える麻酔作用よりも

不安な気持ちを和らげる鎮静効果が高い特徴があります。

 

 

Q2 笑気は危なくないですか? 安全性は? 誰にでも使えるものですか?

A 笑気は

・化学的に安定していて体内に入って他の物質と反応して有害物質を生じない

・血液溶解度が低く、生体内代謝率が低い

・呼吸抑制作用、循環抑制作用、不整脈誘発作用が少ない

・肝障害、腎障害の危険性が小さく、悪性高熱の危険性もない

これまでの長期の臨床応用で概ね安全性が確立した

無痛分娩にも用いられる安全性の高いガスです。

 

ただ

体内閉鎖腔の容積増加作用や

ビタミンB12の不活性化による神経障害や心筋虚血の危険性が全くない訳では

ないので、

・イレウス手術・空気塞栓(そくせん)や気胸の可能性のある手術

・鼓膜形成術 網膜硝子体手術後、心臓手術後

は使えません。

 

お子さんで考えると可能性があるとすれば

上記の理由で

酷い中耳炎のお子さんは×です。 

 

笑気は嘔吐反射(オエッとなるの)を抑制する効果があるのですが、

当院は笑気を使って10年近く経ちますが、

中には治療後に「笑気が原因となっている可能性も否定できない弱い吐き気」が起る

お子さんもおられない訳ではないので、

そういうお子さんは

次回からは笑気の使用を控えるか、

使用時間を少なく(麻酔を打つところまでに)する

など対応を行っています。

 

なんと言っても日常の臨床で笑気の一番の使えないケースは

泣いているお子さん・泣いてしまったお子さん

です。

泣いてしまうと鼻で呼吸が出来なくなってしまうので

笑気が使えません。

 

ですから

できるだけ泣かずにできるよう、うまく持って行ってあげる必要があり

 

この辺りが腕の見せ所*です。

*恐怖心のあるお子さんに笑気のマスクを掛けられるようにするのは

Drよりもスタッフの方が上手です

 

 

アレルギーがある子も 笑気は使える?

Q3 アレルギーがあっても使えますか?

A 安全性という意味では基本的にOKです。

 

が、

鼻から吸うのでアレルギー性鼻炎などで鼻が詰まっているお子さんは効果が期待できません。

以前は喘息のお子さんは×でしたが、今は酷い喘息でなければ〇です。

今の笑気は乾燥しているので

(以前は加湿して使っていましたが、今は院内感染を配慮し加湿していない)

もしそのことで喘息を誘発するようであれば使用を中止します。

(が、当院ではまだそういったことは起きていません)

 

 

 

Q4 何歳から使えますか?

A  個人差が大きいですが、3歳位になると吸えるようになるお子さんが多いです。

  「何歳にならないと吸ってはダメ」という決まりはありませんので、

物怖じのないお子さんだと1歳代で吸えるお子さんもいます。

(非常に恐怖心が強いタイプのお子さんだと6歳でも吸えないお子さんもおられます)

 

 

Q5 発達障がいがありますが使えますか?

A 年齢や障がいの程度によります。

最初は吸えなくても、慣れて来ると吸えるようになるお子さんもおられます。

 

 

Q6 笑気を吸ったら注射はしないで済みますか?

A 残念ながら笑気麻酔は

「不安を和らげる効果」

「不安を和らげることで注射の時の痛みを感じにくくする効果」は期待できますが、

治療の時の痛みをなくす力としては十分ではありません。

 

ですから

普通の麻酔(注射)も使って治療することがほとんどです。

 

ただ、

普通の麻酔も使いますが、

笑気と一緒に使うことで麻酔が効きやすくなっているので、

笑気のお陰で麻酔の量が少なくできることが多い

中には笑気を吸うことで普通の麻酔を使わずに済んでしまう場合もあります。

 

 

笑気を吸うとどんな気分?

Q7 笑気を置いてある歯科医院はあまりないのですか?

A かなり少ないです。

(当院開院当時で

東広島では当院以外1,2件*?

しかも年数回使うかどうか*?とのことでした *当院調べ)

 

 

コスト的な問題の他に

お子さんに笑気を掛けるまでの手間が掛かる*ことなどが

要因となっていると思われます。

*手間だけでなく、恐怖心のあるお子さんに笑気のマスクを掛けるまでの技術や医院の雰囲気も重要です

 

ちなみにですが、

日本では置いてある歯科医院の少ない笑気ですが、

アメリカではポピュラーなものだそうで、

岩国の米軍基地に来ている軍人さんは歯科治療時に笑気は当たり前と思っているらしく

笑気を置いてないと怒られるという笑い話を聞いたことがあります。

アメリカでは成人も(あの屈強な軍人さんですら)

笑気を使って治療を受けることが多いそうですね。

 

 

Q8 笑気を吸うとどんな気分になりますか?

A 感じ方は個人によって異なりますが、

 

体の力が抜けていって、

気持ちよくなって、

何にもしたくなくなる(手を動かすのすら面倒くさい)

幸せな感じになることが多いです。

(気持ちよく酔っ払ったような感じ)

 

音も段々遠くから聞こえる(聞こえにくくなる)ような感じになります。

 

 

Q9 麻薬やアルコールのような依存症になりませんか?

A 依存症にはならないと言われています。

 

 

Q10 意識は無くなるのですか?

  全身麻酔とは違うのですか?

 

基本的には意識は無くなりません。

が、

リラックスして寝てしまうお子さんも多いです。

(笑気をしていなくても午後は寝てしまうお子さんは多いです)

 

笑気の場合、基本的には意識はありますのでこちらの言うことが分かります。

全身麻酔の場合、前日から入院、処置後も覚醒するまで数時間を要すので

非常に長時間を要します。

(年数例はそのまま覚醒しないケースがあるそうです…)

 

当然お子さんの負担も大きいです…

 

笑気の場合、通常処置後5分酸素を吸ってそれで終了となります。

 

かなり昔の話になりますが、

笑気を吸って寝ていた歯科医師が亡くなった事故があったそうです。

笑気は酸素と混ぜて吸っているのですが

(通常笑気30% 酸素70%  最大で笑気70%までOK  当院では最大40%)

途中酸素が切れて笑気100%になって窒息になってしまったことが

事故の原因だったと考えられています。

 

今はそのような事故が起きぬよう、

酸素が切れると自動的に笑気も出なくなるよう安全装置が付けられているので安心です。

 

 

Q11 保険は利きますか?

A 通常のムシ歯の治療だったり,

抜歯などの外科処置だったり、

何か病気やケガがあって、それに対する処置に用いる場合であれば

健康保険が利きます。

 

笑気の濃度や患者さんの肺活量によって料金は変わりますが、

自己負担額は3割負担の場合、30分で600円位

東広島市にお住まいの、小学校3年生までのお子さんで

乳幼児医療受給者証をお持ちの方であれば

一回の医療費は笑気を使っても1回のお支払いの額が500円を超えることはありません。

 

当院では自費診療であっても、追加で笑気の料金を頂くことはありません。

 

 

Q12 笑気麻酔の良いところ・優れた点は?

A 笑気麻酔の優れた点は複数ありますが

特に優れている点が2つあります。

 

1つ目は 効き具合の調整が非常に簡単な点

2つ目は アレルギー・副作用がほとんどない点

 

です。

これこそが気体の麻酔だからこそ可能である笑気の最も優れた点です。

 

不安を和らげる薬ということだけであれば

飲み薬もありますし、直接腕に注射するタイプもあります。

 

そういった麻酔の場合、

効き具合の調整が非常に難しいのです。

 

「もうちょっと効かせたい」「もうちょっと弱めたい」という調整が

笑気であれば

機械のダイヤルを回すだけで簡単に調整できます。

 

全身麻酔の場合、効き具合のコントロールが非常に難しいのです。

手術が終わっても麻酔が切れて目を覚ますまで(覚醒まで)何時間掛かります。

(場合によっては覚醒しない場合も)

 

飲み薬も治療が終わってからも半日位は眠気が残る可能性があります。

 

その点笑気は、

笑気を切って酸素に切り替えれば、5分もするとすっかり元の状態に戻ります。

 

笑気が

「いかに効き具合の調整に優れているか」

「このことがどんなにすばらしいことなのか」

分かっていただけたのではないでしょうか?

 

Q13 笑気はいつでも利用可能ですか?

A いつでも置いてありますが、

予約は必要です。

 

笑気を

・使うかどうか

・使えるかどうか

は実際にお子さんの状態を診てからとなります。

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